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【シリーズ①】富士ゼロックスと米ゼロックスの関係史

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昨日、私にとっては衝撃的なニュースが飛び込んでまいりました。
昨年からの米ゼロックス、その株主との間でのゴタゴタがあって、
予測されていたことではありますが、現実になってしまうとは・・・





富士ゼロックスは”ゼロックス”ブランドを2021年3月31日を以て使用できなくなります。
よって、2021年4月1日から社名を

富士フイルム ビジネスイノベーション

へと変更することになります。

ゼロックス社員にとっては茨の道となります。

今回はシリーズとして

富士ゼロックスと米ゼロックスの関係史

複合機市場の縮小について(※これは短め)

富士ゼロックスの今後は”茨の道”


について個別に記事を書きたいと思います。

今回は①について書きたいと思います。

富士ゼロックスと米ゼロックスの関係史

【1962年】

富士写真フイルム(以降富士フイルム)とランク・ゼロックス(英)
との合弁により富士ゼロックス株式会社が誕生します。出資比率は50:50
イメージとしては「”ゼロックス”の日本における販売会社」です。

【1971年】

製造工場を富士フイルムから譲り受けられます。
これによって製販一体で活動するようになります。
ただの販売会社じゃなくなったのです。

【1990年】

ランク・ゼロックスからアジア太平洋地域4か国での
経営権と所有権を譲り受けます。
この頃からはっきりと

ゼロックス⇒欧米・アフリカなど

富士ゼロックスは日本と一部アジア地域

と営業範囲が住み分けされます。
富士ゼロックスはグローバル企業のように見えるかもしれませんが、
一部アジア地域以外への進出はできません。


【2001年】

富士ゼロックスへの出資比率が
富士写真フイルム75%、米ゼロックス25%へと変更されます。

これは米ゼロックスの経営が悪化し、富士フイルムに対し
一部株式の買い取りを要請してきたからと言われています。

しかし富士フイルムの介入が多少強くなった程度で、
富士ゼロックスにしても富士フイルムのことを歯牙にもかけて
いなかったように思えます。

何故なら、この頃は親会社たる富士フイルム(当時)の
業績下落(カラーフイルム需要の急減少)が顕著であり、
富士フイルムグループの売上・利益の半分以上を
富士ゼロックスが占めていました。

この当時より前も後も、富士ゼロックス社員には
「俺たちが富士写真フイルムを支えているんだ!」
という驕りがありました。舐めきっていたように思えます。

稀代の経営者たる小林陽太郎さんの存在も大きかったでしょう。
富士ゼロックスの社長であり、経済三団体の一つである
「経済同友会」の幹事にもなった名物社長でした。
※といっても小林陽太郎さんは元々富士写真フイルム出身・・・

またこの頃から富士ゼロックスと米ゼロックスの関係性が変化していきます。

これまでは

「米ゼロックス」⇒「富士ゼロックス」への商品供給

でしたが、これより先は

富士ゼロックス」⇒「米ゼロックス」へ商品供給

へと変わっていきます。

富士ゼロックスの持つ技術が米ゼロックスのそれを追い抜いたのですね。
こうして富士ゼロックスと米ゼロックスの力関係が徐々に変化していきます。


【2017年】

富士ゼロックスにとっての最大の転換点となった

「NZ子会社による不正会計事件」




が起こります。

これにより監査体制強化の名目で
富士フイルムから経営陣が送り込まれます。
富士ゼロックスが徐々に富士フイルムに支配されていきます。

なおこの不正会計事件の内容について詳しくは説明しません。
しかし背景については

・世界におけるプリント(紙)需要の減少が顕著になっていた

・需要減により富士ゼロックスの業績は減速し始めていた

・売上1兆円以上への回帰を目指していた同社は業績至上主義を取り
 国内外のグループ企業に強いプレッシャーを与えていた


というものがあり、特に三番目の「業績至上主義」は
「もう1丁(兆)やるぞ!」という1兆円回帰を目指す
当時の経営陣(特に副社長)からのプレッシャーが強く、
”1兆円再達成のためなら”と、ある程度の採算を度外視した
営業・販売もまかり通っていました。
具体的には複合機本体の価格やプリント単価の大幅値引きです。
これについてはまた別記事で描きます。

また米ゼロックスはこの不正会計事件に対して強い不快感を表明しました。
富士ゼロックスはおろか、富士フイルムへの不信感が強まっていったのですね。


【2018年】


富士フイルムグループが米ゼロックスの買収を発表します。
非常に複雑なスキームでした。しかし富士フイルムにとっては

①キャッシュアウトすることなく
②米ゼロックス富士ゼロックスを統合し
③かつ完全子会社化


できるという大きなメリットがありました。

しかしこれに米ゼロックスの大株主である
カール・アイカーン氏が反発。

ゴタゴタの末、この買収スキームは断念せざるを得なくなり、
買収は頓挫しました。またこの頃から
富士フイルムと米ゼロックスの関係性は一気に悪化しました。

ちなみにこの年には富士ゼロックスでは国内外で1万人以上のリストラがなされました。
富士ゼロックスと米ゼロックスの統合による効率化を目的としていました。
しかし経営統合は頓挫しました。リストラされた社員達は何を思うでしょうか。

【2019年】

富士ゼロックスにとっては運命の年です。
同年11月に米ゼロックス保有していた
富士ゼロックスの株式(25%分)を富士フイルムに売却しました。





これにより富士ゼロックス

富士フイルムホールディングスの100%子会社
となりました。


また米ゼロックス富士フイルムと資本関係を解消したことにより、
富士ゼロックスも欧米など世界市場への進出が可能となりました。

一方で完全に富士フイルム支配下に置かれた富士ゼロックスでしたが、
社内からは「”ゼロックス”ブランドはいつまで使えるのか」という
不安の声が流れていました。

そして今回の

富士ゼロックスと米ゼロックスの提携解消

です。
細かく言えば技術契約の終了です。
この契約の終了により

・両社がそれぞれに開発した技術の相互利用

・販売地域の区分け

が無くなります。

また技術契約の切れる2021年3月31日以降は
ゼロックス”ブランドを使えなくなります。

よって社名も

富士フイルムビジネスイノベーション

に変更せざるを得なくなりました。


富士ゼロックスと米ゼロックスは競合になる


これからは富士ゼロックスと米ゼロックス
世界中で競合することになります。

複合機の販売、という点では
ゼロックスが有利でしょう。
ゼロックス”ブランドが使えなくなる富士ゼロックス
不利になると思われます。

営業活動で「富士ゼロックスです」と言えなくなるのは痛い・・・

富士フイルムビジネスイノベーションなので
「どうも、FBIです」と言っていけば一気に知名度アップ狙えるかも


今後の富士ゼロックスの課題は

・ブランド消失による営業力低下

・世界中で減少するプリント需要への対応

・欧米市場などを0から市場開拓しなければならない


でしょうか。
ただ米ゼロックスへの商品供給は継続されますので、
ゼロックスが今後も複合機を売っていく限りは
富士ゼロックスにも売上が見込めます。

ただし自社ブランドを立ち上げていく必要がある手前、
富士ゼロックスにとってはOEM供給による売上は些細なことでしょう。

それよりも「複合機以外の収入源の確立」と「販路拡大」が
より重い課題となってのしかかります。
これについては次回の記事で触れます。

一方で米ゼロックスはかなり業績を悪化させています。
2014年度から2018年度にかけて売上は約22.5%の減収
営業利益に至ってはほぼ半減しています。

HP(ヒューレット・パッカード)の買収を目論むなど
ゼロックスは規模の拡大を図っています。




市場には懐疑的な見方が多く、私もこの買収に意味はないと考えています。
規模を大きくしてコストを削減しても、そもそもの「複合機市場の縮小」に
対する答えが出せていません。

いえ、正確には”あった”のですが、スピンオフにより失われました。
このあたりについては次回で述べていきたいと思います。

富士ゼロックスと米ゼロックスは共存できるのか


この記事では富士ゼロックスと米ゼロックスの関係について
大事なところだけではありますが触れてきました。

富士ゼロックスと米ゼロックスは今後、
競争相手となります。もうパートナーではありません。

世界中でプリント需要が減少しています。
もう複合機は売れないでしょう。
プリント、コピー、FAX、どれもが使われなくなっています。

富士ゼロックスと米ゼロックスは縮小する市場の
残存者利益を狙って争っていくのでしょうか。

しかしリコーもキヤノンコニカミノルタもHPもいます。
そう簡単にはいきません。
まして複合機はもう完成された製品です。
これ以上のイノベーションは生まれないでしょう。
生まれたところで紙需要が減少している今、必要性を感じません。

生き残りのカギは”ソリューションサービス”です。
複合機販売で築いた企業網と情報量を活かし、
顧客の業務効率改善を提案していくサービスです。
以前から富士ゼロックスが強みとしている部分です。

しかしこれも限界があります。
ソリューションサービスといっても、どうしても
複合機周り、紙周りの業務改善が多いからです。

富士ゼロックスは”複合機”を中心とした考え方を脱却すべきですが、
しかしこれも富士フイルムによる完全子会社化により難しくなるでしょう。

富士フイルムにとって富士ゼロックス
複合機”という金の生る木、いわばキャッシュカウであって、
それ以上でも、それ以下でもないからです。
少なくとも現状では。

これから先、富士ゼロックスにも米ゼロックスにも
茨の道が待ち受けています。

次回は

複合機市場の縮小について

です。

長々とすみませんでした。では。

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