PCFR(株価当たりキャッシュフロー)
について触れたいと思います。
このPCFRはPERと概念が非常に似ています。
分母が「利益」か「キャッシュフロー」の違いだけです。
分母をキャッシュフローで計算するのがPCFRになります。
PERの計算式は?
ですね。
PCFRの計算式は?
です。
では分母が利益か、キャッシュフローかで、どのような違いになるのか?
答えは・・・
減価償却費を考慮して計算できること
です。
1株あたり利益(=EPS)が出ている時点で、減価償却費はそこから惹かれている状況です。
減価償却費というのは、簡単にいえば「キャッシュアウトを伴わない費用」です。
つまり本来の利益が100で、減価償却費が50だとすると、最終的な利益は50になってしまいます。
もし上の会社の株価が2,000円だとするとPERは40倍です。
しかし本来の利益100で計算するとPERは20倍です。
というようにPERの数字に大きなズレが出るようになります。
ですのでより正確に会社の数字を把握したい、会社の割安感を測りたい場合にPCFRを使用します。
キャッシュフローの計算においては、減価償却費は考慮されないからです。
特に通信セクターやエネルギーセクターなど、設備投資の多い業界は減価償却費が多くなります。
なお、この計算で使うキャッシュフローについては、営業キャッシュフロー(営業CF)を使うことが多いです。
計算式上、営業CFが多くなるとPCFRが低くなりますので、営業CFマージンなどの指標も含めて、
投資の際の検討材料として使ってみるのは如何でしょうか。
ちなみに同業界の銘柄を比較する際におすすめです。
同じ種類の商売をしている企業同士を比べて、どちらが営業CFを稼いでいて、どちらが割安かを
見てみると面白いかもしれません。
注意点としては、営業CFなどキャッシュフローは実績ベースのみなので、営業CFの数字は本決算終了時の数字を使わざるを得ません。
予想キャッシュフローというものは存在しません。あくまで実績ベースです。
参考までにNTTドコモとKDDIを比較してみます。
※11/15時点マーケット終了後での計算です。営業CFは2019年3月期の決算資料を参照。
NTTドコモ⇒8.16倍 ※予想PER:16.63倍
KDDI⇒7.30倍 ※予想PER:11.98倍
PCFRとPERだけで比べれば、KDDIの方が割安だといえますね。
こんな感じで同業他社を比較する際におすすめです。
ではまた!