NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの2020年度3月期決算が揃いました!
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの2020年3月期決算が発表されました。
2019年の法改正で携帯端末とのセット販売が制限され、
特にスマホの値引きがあまりできないので
各社とも端末販売数の減少が予測されていました。
通信に連携する”非通信”事業の増収分で補ったかたちで
増収増益を達成することができました。
しかしNTTドコモは減収減益となりました。
ライバル2社と比べても悪い意味で目立つ決算内容でした。
今回は通信3社の決算を比較してみます。
売上高、営業利益、純利益について
まずは2020年3月期の売上高、営業利益、純利益です。
各社とも利益をしっかりと確保しています。
規模はあまり気にしなくても良いかと思います。
過去3年の売上高推移
過去3年間の売上高の推移です。
NTTドコモの減収が目立ちます。
成長スピードではソフトバンクが凄いですね。
KDDIはちょっとずつ緩やかに成長しています。
過去3年間の営業利益の推移についても触れておきます。
ここでもNTTドコモの減益は目立ちますね。
KDDIは売上高と同様に緩やかな成長スピードですね。
ソフトバンクはガシガシ成長しています。
営業利益率と営業CFマージンを比較してみました
これは面白い結果となりました。
NTTドコモは営業利益率では最下位ですが、
営業CFマージンではトップです。
営業CFマージン(営業キャッシュフローマージン)は
営業活動で得た現金を売上高で除した割合です。
この割合が高いほど、効率的に利益を回収できていることが
分かります。”利益”という数値ではなく実際にその利益を
回収できているか、は大事ですよね。
↓営業CFマージンの重要性を学ぶのに最適な書籍です。
NTTドコモはしっかりと利益を稼ぎ、かつ回収できていることが
分かります。本質的な稼ぐ力ではNTTドコモは未だに最強です。
自己資本比率、ROE、ROAを比較してみました
安定した経営ができていますね。
KDDIも及第点ですね。
ソフトバンクはちょっと危なっかしい・・・。
どれだけの利益を稼げているかが分かります。
ここではソフトバンクが突出していますね。
返済の必要がある返済金など他人資本も加えた”総資本”で
どれだけの利益を稼げているかが分かります。
ここでは僅かながらNTTドコモがトップになっています。
過去3年間のEPS推移の比較
KDDIが順調にEPSを伸ばしていますね。
18年連続増配を達成してきた地力のある企業ですし、
EPSの成長を重視している点でも株主思いの会社です。
苦しいのはNTTドコモですね。
EPSが落ち続けています。
EPSは配当の原資に等しく、
EPSの成長なくして増配はありません。
このEPSのマイナス成長は懸念点になりそうです。
各社の今期業績予想、配当金への方針について
コロナ禍の影響を読み切れない部分もあり、
例年と比べれば慎重な姿勢です。
ということで今期の業績予想や配当金への
方針について決算資料から抜粋しました。
①NTTドコモ
増配は見送りし、前年度と同水準を維持するようです。
比べると弱気なところが目立ちます。
②KDDI
KDDIはわずかではありますが、
増収増益、そして増配を見込んでいます。
コロナ禍でもこういう姿勢を見せてくれるあたり、
KDDIは投資家視点の優良企業だと思います。
③ソフトバンク
微増収、微増益を見込んでいます。
また配当金も増配予定です。
NTTドコモがの弱気が目立つ格好に
以上、各数値をまとめてきました。
NTTドコモは冒頭に書いた通り独り負けの
かたちになっています。
しかし営業CFマージンの数値をご覧いただいた通り、
企業としての本質的な稼ぐ力はNTTドコモが依然としてトップです。
NTTドコモだけ業績見通しを未公表であることと、
増配を見送り配当維持の姿勢、これらをどう評価するかが
ポイントになりそうですね。
投資の際の参考になれれば幸いです。
それではまた!
KDDIの分析記事です。
日米通信企業を数値比較した記事です。
5Gビジネスを学ぶ入門書として読みました。
オススメの本です。